ピアノの終着駅〜スタインウェイ〜

ピアノの開発が1600年代から始まって、1900年初頭にはピアノの開発はされ尽くしたと言われています。

そのピアノを、とうとう開発し尽くした会社が、あのスタインウェイ&サンズです。

スタインウェイの特徴は残念ながら、もしかすると素人には分からないかもしれません。というのも、ある意味では没個性的でもあるからです。

例えば渋くて重みのある音を出すベーゼンドルファーや、軽いジュラルミンのようなフランス音がするプレイエル、気品あふれる音を出すベヒシュタイン等にくらべると、どんな音も出てしまう所が「何の音のするピアノだかわかんない!」と言う人が多いのです。

事実、確かにどんな音も出ます。太い、豪快な音から繊細な音、ベールに包まれた音、ジェット機のようなつんざく音、何でも出ます。

おそらくプロのピアニストなら、まず家庭にベーゼンドルファーや、ベヒシュタイン、ブリュートナーを趣味で置いたとしても、コンサートでは絶対この種のピアノを選ぶ事はないでしょう。なぜなら、様々な曲目、様々な雰囲気を作る必要性があるリサイタルでは、どんな音でも出るピアノでなければ、仕事が勤まらないからです。

事実、ベーゼンドルファーは私は大変気に入っているピアノですが、あれでラフマニノフやスクリャービンを弾くのはちと無理があります。

単純に分かりやすくいうと、ppp〜fffまで、自由自在に出る、それがスタインウェイです。

そしてもう一つ、スタインウェイのすごい所は、多声部の曲や、ソフトペダルを多用した場合に、その各声部の輪郭がハッキリと出る事です。これは残念ながら、ベーゼンドルファーはもちろん、ヤマハもできません。

特にソフトペダルを使用した時の音は、もうスタインウェイ特許の音であり、他のピアノメーカーはパクリで!(もしくはおまけで!)ソフトペダルを付けていると思って良いと思います。

私は他のコラムで書いた通り、ヤマハのピアノも絶賛しています。近年のヤマハのピアノはすばらしい。しかし、悲しいかな、そのヤマハに出せない音が、ショパンや、スクリャービンの曲の中に出てくるのです。それがスタインウェイの出す弱音ペダルの音です。

そしてもう一つ、スタインウェイのすごい所、それは文句のつけようがないアクション(鍵盤とハンマーとが一体になっている部分)です。

スタインウェイのアクションは、フェザータッチと申しましょうか?的確に弾く者の音楽思想をその通りに伝えます。

もっと分かりやすく言うと鍵盤が異常に軽い!

さらにもっと分かりやすく言うと、スポーツカーのハンドリングという感じ(?)

逆にいうと、下手な弾き方をするとすべての音がfffになってしまう程ですが・・・まあとにかく超敏感なアクションです。つまり、なんていうんですかね?赤く腫れ上がった痔を思いっきりつねる感じでしょうか?もしくは、痔の手術で肛門に注射ををすると、この世の物と思えない程の激痛がする程、肛門の神経はこんなにまで敏感だったのかというような敏感さ・・・(わかんねーだろうな、やった人でなければ。しかも俺はこれを2度もやってしまったんだから)

さて、スタインウェイの長所を並べてきましたが、ここで短所をあげてみたいと思います。

もしかするとこれは他の外国製ピアノメーカーもそうなのかもしれませんが、湿度の変化はもちろんですが、温度変化に非常に弱い!

ホールで、倉庫から引っぱり出してきたばかりのスタインウェイはぜ〜んぜん音が出ません。そこで、照明を当ててピアノを温めるのですが、ヤマハなどはものの10〜20分で絶好調になるのに、スタインウェイは30分経っても音が出ません!1時間経ってようやく絶好調ときてます!これを知らないとピアニストはえらい目に合います。

さて、スタインウェイをお求めになりたい方は、金持ちは別として、中古をお探しになる事をお勧めします。なぜなら(すべてのピアノメーカー全般に言える事ですが)中古なら新品の半値で買える事がほとんどだからです。

私も欲しいです。知り合いの調律師が(アメリカにはスタインウェイのセミコン中古が今400万であるんだけど・・・)といっていました。

 

そりゃあ安い!!400万でセミコンスタインウェイですか!!・・・でもね・・・はあ〜〜〜。

村田ピアノ音楽院

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