そういえば俺はいつでも臆病だった

 

なんでもベートーベンは晩年,俗世から離れて作曲をしていたため,時々浮浪者と間違えられて警察に捕まったという話がある。

ベートーベンを慕っていたシューベルトは晩年、貧困の中で最後のソナタを書いていたし,ショパンも一時期はパリの社交界に優雅に白馬車で乗り付けていたというが、死期の頃にはやはり,貧困の中での作曲活動だったという。

ついでに、スペインのサグラダ・ファミリアを建てたアントニオ・ガウディも晩年は財産を投げ打って乞食同然でサグラダ・ファミリアの設計にいそしんでいたという。

 

これら芸術家はみんな、どんなに貧しくなっても,自分の芸術の実現の為にお金関係なしに,創作活動をしていたんだろうと思う。

金なんていらねえ。死んでもかまわん。俺は今ある作品を完成させて世に出したい・・・。

そういう気持ちなんだろう。

芸術家はこうでなくっちゃいけない。

作曲家はこういうものなのかもしれないが、さて,ピアニストはどうなんだろう。

まあピアニストで貧困っていうのはいないのかもしれない・・・というより、単に貧困だったらピアニストを辞めているか(爆)

どちらにしても、芸術家は裕福であろうと,貧困であろうと,不幸せであろうと、常に俗世から離れていて、変な心配事があっても、ただひたすら自分の芸術作品のために邁進しているんだろう。

それに比べたら・・・いやあ私はダメだなあ(笑)

現在,私はいろいろと悩ましい問題,事情を多く抱えており,それが故に,練習があまりかはどらない。

時間がというより,精神的に練習に身が入らない。

 

そういえば・・・私がまだ20代後半の頃・・・。

他の高校の同級生などは就職して,中には結婚して子供もいる奴もいたりして,順風満帆な人生と違って自分は身分が定まらない人間だった。

もちろん、音大の同期は同じ様に半人前の連中だったが「それがどうした?」という感じで,気にする事なく,留学なり、非常勤の講師の仕事をしていたが,私だけは「どうしよう、どうしたいいんだろう、」と悩んでいたばかりだった。

正直,もう土木作業員でも,ビルの清掃員でも、暴力団でもいいから、どっかに就職して堅気にならないと・・・とずっと考えていた。

当然,全くピアノの練習もはかどらず・・・(笑)

あの頃,自由な時間があったんだから借金をしてでも留学とかしていればなあ・・・なんて思っても,当時はそんな気にならなかった。

 

同じ様に,今もちょっと心配事,厄介なことがあると,すぐ精神的に響いてしまう。

・・・ああ,俺は芸術家失格だなあ(笑)・・・

真の芸術家というものは,もっと図太くなくてはいけない。

ダンプに轢かれて半身不随になっても、這いつくばって家に帰って作曲活動をするなり,ピアノの練習をするなり・・・。

そういう奴じゃないと駄目なんだよなあ。

特別天然記念物みたいな、すぐ絶滅する貧弱な動物みたいな奴は芸術家として失格である。

むしろゴミ箱をあさっているカラスや野良猫ぐらいの図太さとたくましさが必要なのだ。

俺は世俗的な奴だなあ(笑)

 

 

2014.4.20

村田ピアノ音楽院

since1996

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