核のボタン

 

それは,夏の香りが漂い始めていた6月下旬の昼下がりの午前11:00であった。

 

秘書官「総理、ご決断を!」

総理「いや、わかってる・・・」

総理官邸の窓からは、この苦渋の選択の重苦しい雰囲気からかけ離れた、華麗なアジサイが咲き乱れている状態が見て取れた。

20XX年6月X日、不測の戦闘機同士の事故から、とうとうC国から攻撃を受けてしまったのだ。

いつかは起きる・・・そう思っていた不測の事態からの戦闘機攻撃だった。

一方的に戦闘機および、C国艦船から攻撃を受けて、航空自衛隊と海上保安庁船は多大な被害を受けて窮地に立たされていた。

このままおとなしく引き下がって話し合いをすべきか・・・それとも反撃をすべきか・・・。

しかし反撃をすれば間違いなく、C国との戦争が開始されてしまう恐れがある。

・・・と、そこへA国から「ミスタープレジデントA氏、ワレワレハスデニ、イージス艦カラノ、ジュンコウミサイルハッシャノ、ジュンビハデキテイル。イツデモ、ヘンジクダサイ」

と,連絡が入った。トマホークによる反撃を同盟国のA国がする、という内容だった。

今、目の前のパソコンの画面のボタンをクリックすれば、すべての自衛隊、及びA国艦隊への連絡が伝わり、すぐに反撃開始がされる。

しかし・・・

全面戦争だけは避けたい・・・。

そうこうするうちに、なんと日本本土へのミサイル攻撃が始まったとの連絡が入ったのだ!。

秘書官「総理!このままでは一般市民にまで犠牲が出てしまいます。早急に決断を!」

総理「・・・わかってる・・・」

彼はパソコンの前で手を組み、じっと画面を見ながら、ただただ決断を出すのをためらっていた。

 

 

 

 

 

・・・と・・・、時をさかのぼる事、2014年の同じ季節の6月下旬の夏の香りが漂い始めていた昼下がりの午前11:00。

パソコンの画面の前に座っているM氏(笑)

パソコンの画面にはX国への往復格安航空機チケットのサイトが開かれてあった。

今まで歴代購入してきた格安航空機チケットの金額からすると、破格の安さのX国への航空機代。

なんたって8万円という金額なのだ。

しかし、画面には「返金不可。現在チケット4枚のみ」という内容が・・・。

このチャンスを逃せば、これほどの安いチケットでX国へ行くのは不可能だ。

しかし、一度買ってしまうとキャンセルが出来ない。行くしかない・・・。

しかし、4枚の売れ残りなんて、あっという間に売り切れてしまう。どこかの家族が取ってしまえば万事休すだ。

もう一人の自分が言っている。「何を迷っている?早くクリックしてしまえ!」

M「うーん・・・」

もう一人の M「これが買えなくなって、X国の夏期講座が受けられなくなっても、後悔はしないのか!?」

M「うーん、今年の夏は・・・ゆっくり、ビールでも飲んで、うだうだしたいんだ。曲だって全然仕上がっちゃいない・・・」

もう一人の M「何をバカなこと言ってるんだ!早くクリックしてしまえ!。チケット取られちまうぞ!。・・・何も死ぬわけじゃあるまいし・・・」

M「・・・死ぬわけ・・・じゃない・・・か・・・」

 

人生、長く生きていると、死ぬわけじゃないけど、食っていけなくなるとか、もうあとは死ぬしかないんじゃないのか?と思える様な出来事がたまにある。

そんな時、人間は究極の行動に出る。

予想し得ないパワーと、信じられない頭脳パワーを持って、人間は対応をするものだ。

昔の戦場の兵隊は、いつ死ぬか分からない。・・・そういう精神状態の中で戦っていた。

そういう時、想像もできないほどの力で人間は動くようになる。

昭和49年に帰って来た旧日本兵、故・小野田将兵もその一人。

彼は戦争が終わっても戦争は終わっていないと信じ込んで、最後は一人でフィリピン軍と戦ってきた精鋭ゲリラ兵だった。

彼は「日本は平和になって豊かになったけれども、今の若者は命をかけて一つの目標を達成する、ということを忘れてしまった。これで本当に良いのか?」

と言っていた。

そう、人間というものは死を覚悟する様になった時、本当の信じられない実力が出るのかもしれない。

そういう緊迫感を持たないといけないのかもしれない。

うだうだしたいのはわかる。戦闘モードも、なかなか疲れるものだ。

しかし・・・。

兵隊と違って、死ぬわけじゃない。

X国へ行っても

 

 

 

 

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なる弾丸ををとある穴にぶち込まれる程度だろう

人間、楽をしたら何も出来ないし、何も生まれない。何も進歩しない。

小野田さんは51歳で帰ってきた。

51歳まで敵国と戦ってきた。

これはすごい事だ。

自分は命を賭けるわけじゃないけれども、51歳になってもギラギラと挑戦できなくてどうするんだろう。

 

そして・・・。

M氏はパソコンの「購入」という文字のボタンを「カ・チ・・・」とクリックした・・・。

ああ・・・もう後戻りは出来ない。押してしまった・・・。

ゴォーっという凄まじい音が頭の中でなり響いて、何かが自分の中でゆっくり、唸る音を経てながら回転し始めた。

もう戦うしかない。もう戻れない・・・。

きっと総理大臣が攻撃のゴーサインを出す気持ちと同じなんだろう。

そう、相手国は違って、X国の教授連中だけれども。

今年は反撃の年である(笑)

でもちょっと脱走兵になりたい気分(笑)

今年は猛反撃が出来る様、準備万端でいくしかない。

弾丸も・・・

 

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いっぱい持っていこっと・・・。

 

 

2014.6.23

村田ピアノ音楽院

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