ツェルニーなんて、まだ使ってるの?

 

などということを書くと反論が来るかもしれませんが、では逆にツェルニーが必要だという人は何故なのか、私は是非聞いてみたいと思っています。

ツェルニーにはあるがショパンエチュードにはないものはあるのか?

ツェルニーでなければないものはあるのか?

答えは•••おそらくありません。

逆にショパンエチュードやリストエチュードにあって、ツェルニーにないものは•••。

それは、音楽です。

しかし、音楽などは指の練習には必要ないのでは?と思う人もいるかもしれません。

しかしそこが、日本教育の盲点なのです。

海外のレッスンを受ければわかりますが、注意されることはテクニックではなく、終始一貫音楽のみです。

しかも繊細な音量変化のみです。

バリバリと大きな音を出すことではなく、あくまでも繊細な音量変化のみ要求されます。

これができないから音楽が表現できない。

それに気がつけば、ツェルニーがあまり役に立たないことがわかるはずです。

もちろん、小学生などが指を純粋に鍛えるという面ではいい練習曲なのかもしれません。

しかし、そんなのはソナタ集か、ハノンでも練習すればいいのです。

特にソナタ集には思っている上に難しい曲がいっぱいある。

もちろん純粋にはツェルニー60番のほうが、ソナタ集よりは難しい。

しかし、そこに音楽はあるのか?

ソナタ集の曲はテクニック的に速い曲で、かつ音楽が濃密であり、テクニックを駆使して、音楽を表現することは至難の技です。

しかしツェルニーにはなんら音楽はありません。

そういう練習曲をずっとやっているうちに本人に音楽性がまるでつかなくなってくる。

これが私が一番恐れることであり、かつ日本人の一番の弱点です。

だからいつまでも日本人はピアノをやかましく弾く傾向があると思っています。

もう一つのツェルニーの盲点。

それはこの練習曲を使うと、力を入れる練習をしかねないということです。

例えばショパンエチュードやスクリャービンエチュード、リストエチュードなどは力んで大きな音を出せば、音楽的には最悪なものが生まれます。

特にリストエチュードは何が何でも大きい音を出せばいいと勘違いしている人がいますがとんでもない間違いです。

そこで本人は何が自分に足りないかを認識するわけです。

しかしツェルニーを練習しているうちは劣悪な音楽が生まれていても関係ありません。

もともと音楽はないのですから。

そうこうしているうちに、ピアノの音ははっきり、大きな鋭い音で弾くことが一番良いと勘違いしがちなのです。

 

一つ、物証をあげたいと思います。

あたして職業ピアニストはツェルニーを使うか?

これはおそらく使っていません。

逆に、スケール、アルペジオ、重音練習、オクターブ練習などは絶対していると思います。

これはすなわち•••すべてハノンなのです。

私はツェルニーを使うんだったら、ハノンを使うほうが効率的と考えています。

 

 

2016.10.21

村田ピアノ音楽院

since1996

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