音大に行くならば、実現&覚悟しなければならない難問課題

 

ピアノが好きな人が音大に行って音楽を勉強して、卒業して音楽関係の仕事で生計を立てられることほど、幸せなことはないでしょう。

どの講師もそれを本来は勧めたいところです。

しかし、現状はそういう気持ちはあっても勧められません。

あまりにもマイナス要因が多すぎるからです。

音大のピアノ科に行こうと思えば、どうしてもお金がかかります。

グランドピアノの購入、そして近隣への迷惑防止のための防音施設、そして高額な学費。

レッスン代を含めなくてもこれだけで最低、1500万円かかります。

正直、もう現代において音大に行くことは医大に行くことと変わりないのです。

しかし、卒業後に音楽関係の仕事があるのかといえば、残念ながら皆無です。

楽器店の講師の仕事は歩合制で、それだったら派遣社員の方がまだ稼げるし、保障がまだあるのです。

昔は教員という手もあったのですが、近年の少子化により、教員になることはほぼ無理と言えます。

つまり、音大を卒業したら、音楽とは全く関係のない仕事に就かなければ、生計が立てられません。

それでもよければ、音大で十分、4年間勉強して、卒業した後は音楽を捨てて、しっかりとサラリーの仕事をする、という条件になるのです。

当然のことながら、一般の会社勤めをした場合は、練習時間の確保はおろか、帰宅後は疲れで練習もできません。

これが、練習をしたい卒業生にとっては、地獄の選択生活となるのです。

もちろん、ピアノ講師として生計を立てたいと思う人もいるでしょう。

ピアノ講師ならば、練習時間の確保がしやすい。

中には私のようになんとか生計を立てている人もいますが、それでも正直、一般サラリーマンの年収を遥かに下回っています。しかも生活保障は何一つない。

正直、何も利点が見いだせないというのが現状です。

 

しかし、ただ一つ、救済選択があります。

それは、女性は必ず結婚してパート主婦、もしくは自宅でピアノ教室を開くことです。

これならば卒業後もある程度の練習時間を確保できます。

特にピアノ教室はおそらくどの女性卒業生は夢を見ている仕事でしょう。

収入的にもパートタイムジャブよりは多い収入になります。

しかし、ピアノ教室を開く場合は、なにがなんでも離婚は避けなければなりません。

一般の人がピアノ教室のみで生計を立てることはかなり難しいと考えた方が良いのです。

もちろん、経済的に豊かでなくてもいい。心が豊かな生活を送りたい。

それはそれでいいのかもしれません。

しかし、日本はもうバブル時代ではありません。

中流世帯が経済的に豊かではない時代に生活保護を受けかねないほどの収入になるかもしれないのです。

そういう状況になりかねない世界にあえて生徒を送り出すのか?

音大に行って音楽を勉強して欲しい。しかし生計を考えたら行って欲しくない。

どのピアノ講師もそう考えている時代なのです。

 

 

2016.06.12

村田ピアノ音楽院

since1996

MENU